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心身のコラージュを作る

 

月に1回、など定期的にお身体を拝見しているお客様の場合、施術ごとにお身体の変化を感じる時があります。

 

それはもちろん施術の効果の場合もあるし、心のこと、外的環境のことなどで、お身体が良くも悪くも変化していることを感じるのです。

 

 

Sさんの場合は、とにかく身体の反応が良くなりました。

 

もともと変化や反応が鈍いわけではないのですが、施術中の反応が速く、少し重い硬結があってもサッと通っていきます。

 

身体全体のエネルギーが上がっていて、次から次へと新しい流れを追っていけるのです。

 

2月続けてこのような状態だったので「お身体の反応がすごく良くなっているのですが、何かしましたか?」とお聞きすると、新しく漢方を服用し始めた、とのこと。

 

身体に合っている漢方は、こんなにもハッキリと変化が分かるものなのだなぁと感動しました。

 

興味津々でお話を伺ってみると、その漢方薬局さんでは、1時間くらい時間をかけて舌や肌の色、身体の状態を見て問診し、その時の状態に合う漢方を選んで下さる、とのこと。

 

私も30代半ばに差し掛かり、身体について気になることもあったので、同じ漢方薬局さんに早速行ってみることにしました。

 

 

 

場所は伊勢崎駅のすぐ近く、須田薬局さんです。

 

古くからある町の薬屋さん、といった雰囲気で、こぢんまりとした店内に優しそうな初老の薬剤師さんがいらっしゃいました。

 

100項目くらいでしょうか、丁寧に問診して下さり、爪や舌、肌の色などもしっかりと診ていきます。

 

また、味の嗜好や、どの季節、どの時間帯が苦手なのか、などもお聞きになって、総合的に判断されていきます。

 

現在の私の症状としては、特定の部位が痒くなりやすいことと、夕方を過ぎると元気がなくなってイライラしやすい、そして月経の変化でした。

 

もし症状だけを診るお医者さんや薬剤師さんだったら、痒みには痒み止め、イライラには精神を安定させるお薬、月経不調には婦人科のお薬、と3種類+αのお薬が出されることでしょう。

 

ところが、根本として私の場合は水分代謝が苦手なことと、気虚(ききょ:簡単に言うとエネルギー効率が悪い)の状態があり、そこが改善していけば、今気になっている症状全てが上手く回り始める、とのことでした。

 

処方して頂いた漢方も1種類。

 

このように症状だけにとらわれずに、根本を診て下さること、症状別に何種類も薬を出すのではなく、最小限のもので身体の底力を上げて下さる姿勢には、非常に好感をもちました。

 

 

また、野口整体でいうところの8種体癖がメインの私ですが、8種は湿度が苦手でむくみやすい傾向があるのです。

 

そういうところとも合致してくる結果だったので、漢方と整体と切り口が違っているようでも、結果がリンクしてくるところに面白みを感じました。

 

 

こんな風に、たくさんの見方や切り口から己の心身のコラージュを作るのは楽しいですね。

 

群盲象を撫でる、という言葉があるように、1つの切り口や見方では一部分のことしか判断できません。

 

心身は本当に宇宙のように広いですから、信頼できるプロフェッショナルを頼って自分の一部分を知ること。

 

それを繋げていくと重なり合うところや違うところが新しく見つかり、知っているようで一番遠い自分を、ぼんやりとつかめてくるのでしょう。