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症状は生きる為のはたらき

 

今年は花粉症状が辛い方が多く出るのではないか、と予想する。

 

いや、花粉症状が出れば幸いで、くしゃみ・鼻水といった症状をきちんと経過して欲しいと思っている。

 

 

なぜかと言えば、咳・くしゃみ・鼻水といった症状は胸部と頭部をゆるませるのに有効だからだ。

 

 

このコロナ禍で、私たちはマスク着用の圧におされて、深く呼吸をすることが困難な1年だった。

 

胸部がこわばっている方、酸欠気味の方も多く、胸筋や肋骨の弾力性を奪われた1年だったと言っても過言ではない。

 

 

施術中に、お客様が

 

「あ、くしゃみ(又は咳)が出そうです。すみません。」

 

と言う度に、私はとても悲しく思う。

 

呼吸も咳もくしゃみも、生きる為に必要な、身体のはたらきだ。

 

それを事前に申告したり申し訳なく思ったりしなければいけないなんて、少なくとも整体の現場ではあってはならない。

 

 

施術毎の換気とアルコール清掃を徹底した上で、お客様には

 

「咳やくしゃみは胸が広がるのを助けてくれるので、我慢しないでください」

 

とお伝えしている。

 

 

 

もうすぐ2月になり、1年の中でも骨盤がゆるんでくるシーズンに入る。

 

骨盤を中心に身体全体が1つのユニットとしてゆるむことができる春は、身体の絶好の調整時期である。

 

しかし、胸や首、頭部がこわばっていると、ゆるむことができずに、のぼせやふらつきに繋がる。

 

自分でできるケアとしては、伸びをして肋骨の可動を確保することや、マスク使用で疲れている耳周囲の頭皮や耳たぶを優しくマッサージすること、

 

そして、意識的に深く呼吸すること。

 

 

呼吸は、吸う時に呼気が背骨1つ1つを通り、尾骨に到着するまでをイメージで追って、吐く時は身体の邪気もゆっくり一緒に吐き出すことをイメージできるとより良いと思う。

 

出来ればマスク無しで、換気している時など外気が吸える時が良いだろう。

 

 

こんな時だからこそ、できる範囲で、自分の身体を意識する時を持ってほしいなぁと思う。

 

そして、呼吸をすること、咳やくしゃみが出ること、発熱、下痢や嘔吐も全て生身の身体がしてくれている、生きる為のはたらきだ。

 

今だと過敏になってしまうのも無理ないのだが、気を付けながらも「症状を経過する」勇気を持つと、必要以上の恐怖は無くなるのではないかと思っている。