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知っておくと楽になる、更年期の話➀

 

年齢を重ねていくと、月経の変化を感じたり、心身の不安定を感じたり、

 

「もしかしたら、これが更年期なのかも」

 

という時期が来ます。

 

更年期というと、老化、とか、体に起こる不調や精神の不安定さばかりがクローズアップされ、どうしても悪いイメージを持ってしまう印象があります。

 

しかし、本来の体のことを知っておくと、更年期は悪いことばかりではありません。

 

初めて月経が来た時、それは生殖可能に成熟した身体になったのだ、ということで「大人の仲間入り」を意味しました。

 

閉経を中心とした前後10年くらいがいわゆる更年期にあたりますが、それは「性ホルモンに翻弄されなくてすむ体」になる為の準備期間を意味します。

 

身体が自由に羽ばたけるように大きく再編成されるため、準備にはどうしても少し時間がかかります。

 

 

特に更年期の中では2年ほど、骨盤がゆるんで大きく広がる期間があります。

 

骨盤が広がっている時はどうしても足腰に力が入りづらいし、集中力が散漫になりやすいです。

 

また、それ以外にホルモンの変化で起こる心身の波や不調は個人差は大きく、辛くこたえる方もいらっしゃるでしょう。

 

 

更年期の身体を知ること、受け入れることは、女性の人生の後半をより楽に生きることにつながります。

 

今回からは一般的な更年期の話と、整体では何ができるのかを書いていきたいと思います。

 

 

 

まず、一般的に、更年期の症状が起きる原因としては、卵巣の機能の低下が上げられます。

 

卵巣は排卵期まではエストロゲン、排卵後はプロゲステロンという女性ホルモンを分泌します。

 

女性ホルモンは脳の視床下部からの指令により、卵巣から分泌されます。

 

ところが、年齢を重ねると卵巣がその指令に応えるのが難しくなります。

 

視床下部は、全身のホルモンバランスや体温調節、呼吸や消化、精神活動を支える自律神経のカナメです。

 

卵巣からの応答がないと、通常よりも多くホルモン分泌を促す指令を出してしまう為に、あらゆる心身症状が出やすくなってしまうのです。

 

 

 

 

心身に起こる症状としては

 

・不安感、不眠、どうしようもなくイライラする、落ち込む、などの精神神経系の症状

 

・顔がほてる、のぼせる、必要以上の発汗、動悸などの血管運動神経系の症状

 

・吐き気、胃のむかつき、下痢、もしくは便秘などの消化器系の症状

 

・肩こり、首こり、腰痛、関節痛、手指の痛みやしびれなどの運動器官系の症状

 

など、様々な例が挙げられます。

 

 

 

更年期に入ったかどうかの目安としては、やはり月経です。

 

月経周期が一時的に早くなったかと思えば、段々と飛び飛びになっていくことが多いです。

 

また、経血量も減少する方もいれば、ひとまわり大きいサイズのナプキンを当てておかないと漏れてしまうくらいの量が一時的に出る方もいらっしゃいます。

 

これらのサインがあったら、「そろそろ身体の再編成期(更年期)だな」と心の準備をしておくと良いでしょう。

 

 

 

そして、整体的に見ると、更年期は骨盤の変革です。

 

それまで起きていた月経、そして妊娠出産のご経験がある方は、それまでも骨盤を中心とした身体の変革が起きています。

 

そして、この更年期は、女性の人生後半における骨盤の1大イベントに当たります。

 

この記事の最初の方で、「更年期の中で2年ほど、骨盤が大きく開いてゆるむ時期がある」と書きました。

 

骨盤が開く時期というのは、大小の差はあれど、普段の月経でしたら月経1日目から3日目くらい、または妊娠期間中や出産直後などが当てはまります。

 

皆さん、この時期の体のことを思い浮かべて頂くと、どうでしょうか?

 

張り切って動けるわ!という方は少ないと思います。

 

どちらかと言うと、速く動くのはおっくうで動きが緩慢だったり、集中力が続きづらかったり、心身の不調が出やすい時期に当たります。

 

この時に、日常と同じスピードと集中力で物事を進ませろ!と言っても、無理がありますよね。

 

まずは、

 

骨盤が広がっている時期=普段と同じペースで動けない、または動かなくて良い時期

 

ということをご自身に認めたり、許したりしましょう。

 

まず、ここの認識があると、普段と同じように頑張ろうとするストレスから抜け出せます。

 

ちょうど更年期の年代(40~50代)は働くのにも脂がのっているし、家事も頑張れるし、お子さんがいる方は受験期を迎えたり、または親御さんの介護が始まったり、と外的環境がご自身に荷重をかけてくる時期でもあります。

 

この時に、更年期特有の症状が出てきている方が頑張りすぎてしまうと、その追い込みにより余計に症状が悪化してしまうことがあります。

 

まずはご自分の体に正直にお伺いを立ててみること。

 

無理だな、そこまで頑張れないな、と思ったら、あきらめるか、ダメ元で人にお願いしてみること。

 

頑張りすぎてしまう方、完璧主義である自覚がある方は、自分ができそうなこと7割できれば、そしてできなくても、ご自身にOKを出しましょう。

 

 

 

知っておくと楽になる更年期の話、次回に続きます。

知っておくと楽になる、更年期の話②~整体で何ができるのか~