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世界の捉え方~五感のどこに偏りがあるか~

 

五感は目・耳・鼻・口・肌での感覚のことですが、

 

「五感を重視して」

 

とか

 

「五感をフルに使って」

 

など、敢えて五感に意識を向けさせる文章を見ることがあります。

 

まぁそれだけ、普段の生活では忙しすぎたり、ストレスフルな状態だったりで、五感を意識できない、または閉じてないとやり過ごせない状態が続いている方が増えているのかもしれません。

 

そうでなくても、今は公共の場所では、鼻と口を塞ぐマスクを着用しなければならないような同調圧力もありますしね。

 

 

ただ、この五感は野生動物だったら生死に直結する大切な感覚です。

 

そして、厳しい野生動物の世界ほどではないものの、人間の世界への入口、世界の捉え方も五感で成り立っています。

 

さらに、面白いことには、人によって、五感の敏感さには違いがあります。

 

五感の中で、どの感覚器官に重きを置いているのか改めて確認してみると、自分がどのように世界を捉えているか、何が苦手でどうすればリスク回避できるか自覚しやすくなります。

 

 

参考:しいたけ.さんのアメブロ『動物の森の人たちと5感の話』

 

 

私の場合、多分1番偏って使っているのが聴覚です。

 

なぜ偏りがあることに気づいたかというと、私はアニメーション作品を観る時に、自然と、「あ、このキャラクターの声優さんは、あの違うアニメーションのこのキャラクターを演じていた人だな」と分かる時が多くあります。

 

でもその感覚は、夫は「よく分からない」と言います。

 

作画の方(視覚情報)に集中する為なのか、あまり声は気にならないのだそうです。

 

その分、立体的な物の把握、奥行きや長さの目見当は夫は非常に優れていて、私はからっきし苦手です。

 

 

でも、この声優さんが分かることに関しては問題もあって、映像を見ていても、同じ方が演じている別のキャラクターが出てきてしまう為に、その作品に集中できない、という欠点もあります。

 

例えば、2012年公開の細田守監督作品で、『おおかみこどもの雨と雪』という映画があります。

 

狼との子ども(半おおかみ半にんげんの2人の子ども)を女手ひとつで育てていく主人公、花の声は女優の宮崎あおいさんが演じています。

 

私はこの作品はけっこう好きで、何度か繰り返し見ていました。

 

 

そして、その次に公開された細田監督作品『バケモノの子』では、主人公である九太の幼少期の声を、こちらも宮崎あおいさんが演じています。

 

これは、『バケモノの子』を観ている時に、とっても混乱しました。

 

自暴自棄とも言えるような反抗的な男の子の九太を見ているはずなのに、どうしてもおおかみ子どもを育てている花が脳内でかぶってしまうのです。

 

これは、宮崎あおいさんが演じ分けていないのでは決して無くて、受け手側の問題です。

 

 

このように感覚の偏りは、その方の世界の捉え方の偏りとも言えるし、また、自分の落ち着くポイントや不快に感じるポイントとも大きく関わってきます。

 

 

また、自分の体調のバロメーターとしても使えます。

 

例えば、心身に余裕が無くなってくると、普段なら許容範囲にある刺激が気になってきたり許せなくなってきたりします。

 

育児中に心身が追いつめられて、普段は許せていた教育テレビのキャラクターの声が変に耳に障ったり、家具や自分や他人の体のにおいが気になったり、洋服や寝具の肌触りが気になるようになる、とかです。

 

 

今はこの状況もあり、多くの方が不安や変化、マイナスな情報の振り分けに、いつも以上に心身が削られています。

 

そうすると、様々な刺激への許容範囲が狭くなっていたり、普段気にならないことでも気になってしまうこともあるでしょう。

 

自分が五感の中で、どこを重く使っているのかを改めて感じ直すことは、自分の心身を守るために必要になってきているような気がします。

 

 

自分が落ち着ける、もとの自分に戻ってこれる五感ポイントを意識してもっておくこと、

 

必要以上のもの、不快に思う刺激には、感覚を反らすか、ちょっと避けられる余地をのこしておくこと、

 

今は結構大事なのではないかなぁと思います。