「ちょっとこれ見てよ」
と、ある朝、夫が紙を持ってやってきた。
10項目に分けられたチェック表があり、ざっと目を通して驚いた。
それは、体癖チェック表だったのだ。
「これ、どうしたの?」
と聞くと、どうやら本社からメールで送られてきて、回答したチェックを返信する必要があるらしい。
へえ~、と驚いた。
まままさか、これで人事が決まるとはそういう訳ではないと思うけれど、全社員の体癖チェックを自己申告させるとはなかなか面白い取り組みだなぁと思った。
今まで、さらっと体癖の話をしても、そこまで興味がなさそうだった夫も、これをきっかけに少し知りたくなってきたようだ。
夫の回答を見るまでもなく、10種がメイン体癖であることは分かっていた為、回答を終えた夫が10種の項目に1番「よくあてはまる」の回答をつけていて(2番目に多かったのは3種)、
「これって、体癖を知っている本社の人から見て、どういう評価になるわけ?」
と聞いてきた時は、うーんとちょっと悩んだ。
人によって、体癖の好き嫌いや相性は分かれるからだ。
でも、自分よりも経験が少ない社員を育てたり、とりまとめる機会が多い夫の場合は、10種メインというのはなかなか良いのではないか、と思った。
決して理論的ではないかもしれないが、面倒見の良さや包容力に10種は優れているからだ。
そして3種の男性も、清濁併せ吞むという面が強調される為、会社としては使い勝手が良い人材だろう。
そんなことを言ったら、嬉しそうにしていた。
そう、10種メインの人は誰かの為にとてもよく頑張れるのだが、それに注目してもらうことや評価してもらうことが、とても嬉しいのだ。
体癖や、ホロスコープを学んでいつも思うことは、やはり、人には向き不向きがあること。
そして、沢山の人がいることで、みんなでバランスをとって、社会が形成されているということだ。
できないことや向いていないことを知らずに頑張ることは、本人にとっても辛いことだろうし、
例えば、子どもに向いていないことを、親や周りの大人が強制するのは、かなり摩擦があり、お互いがすり減ってしまうだろう。
人と違うことを避けたり、協調性、真面目、前向きに頑張ることが重視される教育が現在の主流であるとは思う(現場を考えるとそうせざるを得ないのだろう)が、
子どもたちや周りの大人が、体癖を理解すると、まず、子どもによって言葉かけが変わってくるし、全部を自分や他人に求めなくなると思う。
私はかなり偏りがあるタイプなので、ある時、高校(進学校で周囲が優秀な女の子ばかり)に行くのがとてもしんどかった。
大人になった今、「体がどこかしら偏っていて、それぞれみんな違うのに、全部がんばれるわけないよなー」と思う。
また、全員が分かり合えるわけないよなー、というのは年をとる毎に実感が深まっていった。
だから、自分に対しても、身近な人に対しても、ハードルを上げずに、気楽に、各々ができることをやれれば良いな、と思うようにしている。
子どもに対する言葉かけで、とても参考になる本。
野口晴哉氏の『叱り方 褒め方』
心身は一つだからこそ、体によって感受性は違う。
だから、叱る言葉も褒める言葉も、大人の考えや工夫が必要。
良書は読むたびに新しい発見がありますが、この本もそのひとつです。
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